デンマークで始まったごみを集めるレジャー、グリーン・カヤック

写真出典：VisitDenmark / Daniel Rasmussen

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは！デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマークで始まったごみを集めるレジャー、グリーン・カヤック

デンマークでは、政府も企業も、持続可能な社会を築く為の解決法を見つけることを、国や産業の活路だと考え、熱心に取り組んでいます。

サステイナブルなビジネスチャンスを見つけた人たちは、次々に起業したり、アイデアを組織化しています。

今日はその一つである、グリーン・カヤックというNGOを紹介します。

グリーン・カヤックは、無料でカヤックをレンタルできて、その代わりに運河や海や川や池のゴミを集めるというレジャーを提供しています。2017年デンマークで、プロのシー・カヤックのインストラクターであるトビアス氏が、個人的に自分の生徒さんと一緒に運河で浮いているプラスティック製品やその他のゴミを集めたことから始まりました。

トビアス氏はごみを集めても、まあ翌日には同じ場所に別のゴミが浮いていることに気付き、自分だけではどうすることも出来ないと考え、自分の取り組みを手伝ってくれる人を募ることにしました。このアイデアを多くの人が面白いと考え、参加希望者が半年先まで集まりました。

初めの2年間で、グリーン・カヤックに参加した約3000人のボランティアは、カヤックをしながら観光し、楽しみながら約10トンの主にプラスティックのゴミをコペンハーゲンの運河やビーチから回収しました。2021年現在、グリーン・カヤックの参加者が回収した水上のゴミは、約42トンに上ります。

その後、この取り組みはデンマークの他の都市の運河や海にも広がり、更には汚染されている他の欧州の都市の運河や海にも広がりました。現在グリーン・カヤックは、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、ドイツ、アイルランドで活動しています。

更に、2人乗りのカヤックだけでなく、グループやイベントや学校の教育活動用の大型ボートも導入して、活動の範囲と内容を拡充しています。

2020年グリーン・カヤックは、ユネスコのグリーン市民プロジェクトに認定されました。また、グリーン・カヤックは、欧州環境審議会やその他のNGOと自身の草の根活動で得た知識を共有しています。

グリーン・カヤックのカヤックを無料で借りる条件はたった2つです。

１．水上でごみを集めること

２．その経験を、#GreenKayakのハッシュタグをつけて、ソーシャルメディアで拡散すること

グリーン・カヤックは、世代を超えて、人々が社会の問題の解決の為に呉越同舟をしているという感覚を提供し、グローバルなネットワークを築いてより多くの人に参加してもらいたいと考えています。グリーン・カヤックのカヤックは2人乗りで、ゴミを拾うのに安全で安定した設計となっており、ライフジャケットなどの必要な装具も同時に提供されます。

更に大切な認識として、グリーン・カヤックは、プラスティック汚染から海を守ることが出来る解決法ではないが、市民が自分のできるアクションを取り、海と関係を持ち、友人と海のプラスティック汚染に対してどんなことが出来るかについての対話を開始するきっかけを持つ為の、画期的で非常に効率の良い方法であると考えています。

デンマークにいらした時には、主体的に参加できる観光の方法として、よろしければ是非、グリーン・カヤックを試してみてください。そして、この運動が気に入っていただけたら、海や川の多い日本でも、導入してはいかがでしょうか？

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北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。

国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの？を、

2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター＆主婦で３人の母親の、

ウィンザー庸子がお伝えします。

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