北欧デンマーク通信
デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について
こんにちは!デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。
北欧デンマークで私が見聞きすること、感じることをお話しています。
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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。
我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。
そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。
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デンマークにも人種差別があると気付くことの意味
バスの中で誰かが自分の隣に座りたがらなかったことを経験したことがありますか?
空港で時々特に念入りに調べられることがないですか?
あるとすれば、デンマークの作家ミカス・ラング氏と同じ経験をしていることになります。
ミカス氏は、2021年2月に発刊した2冊目の著作である詩集「常に、取りつくもの」で、デンマークで自身が経験する人種差別について語っています。
ミカス氏は、「肌の色は外側にあるので、自分が常に関わらなくてはならないものです。人々はよく悪気なく、実に人種差別的なことと言ってきます。」と述べます。
この詩集でミカス氏は、亡くなった母親や他の作家や思索家や音楽家を取り上げながら、人種差別と共に生きなければならない人全員が経験する、多くの「お化け」からの「雰囲気」に憤慨しています。「自分の話にある穴を、同じような経験をした他の人の話で埋めています。」
ミカス氏自身も、人種差別を経験してきました。デンマークで生まれ育ちながらも、よくどこから来たのかと尋ねられました。また、1年に一回位、喧嘩を仕掛けてくる人もいます。しかし、デンマークに存在する「荒い人種差別」に比べれば、自分が経験する人種差別は小さいものだと述べます。
例えば、難民が「何もない場所に設置された難民キャンプに閉じ込められること」や、誰かが「西欧出身でない」というカテゴリーにはめられることや、「ゲットー対策で処罰を受ける」ことに比べれば。
ミカス氏は、「デンマークでは長年、人種など見えないので、人種差別もないと認識してきました。皆平等であると言えば、そういうことになります。しかしその皆平等というのは、多数派のデンマーク人は、という意味なのです。」と述べます。
「常に、取りつくもの」は、ミカス氏が人種差別化と呼ぶ、生物学的なまたは文化的な特徴から、「その他」の内の一人と認識され、分類されることについて語っています。
ミカス氏は同時に、自分自身をデンマーク人であると認識し、大きな「私達」の一員と感じてきました。
「大人になってから初めて真剣に、「私達」というのは白い人だったのだということを感じました。子供の頃や未成年だった頃、自分が他の子と似ていないということに気付かされた経験を、全部すり替えてなかったことにしなければならなかったのだと認識しました。」
ミカス氏は、自分自身の文章に更なる層を追加することを選択しました。「自分のようにな外見の人は、デンマークではそのことに向き合わずにはいられないことにもすぐに気づきました。それで、自分の文章にこのことをテーマとして入れることにしたんです。」
「いずれにしてもそれが文章から読み取れることになるとしたら、自分から積極的にそれに関わっていってもいいのではないかと思ったんです。」
「常に、取りつくもの」でミカス氏は、亡くなった母親の声を通じて、彼女が経験した人種差別について語っています。作家ト二・モリソン氏、詩人マイ・アイム氏も本の中に登場し、様々な角度から人種差別に焦点を当てています。
人種差別は、特に3ページにわたる長詩「フィクション-それから、君は実はそんなに黒くない」の以下の部分で語られています。
私は
どこから来たの
本当はどこから来たの
に応えなくていいデンマーク人程、デンマーク人ではない。
これを多数派の白人から常に聞かれるのが常であるとミカス氏は述べます。「仕事をしていて突然、どこから来たのと聞かれたりします。悪気のない、純粋な好奇心からの質問ですが、それでも自分が黒いつまり腐ったなしだと認識させられます。それでもし、(デンマークのユトランド半島中西部にある)エスビアからですと答えたら、そうじゃなくて、本当はどこから来たの?と聞かれるんです。」
ミカス氏によると、「こうした見た目の違い」は多くの人にとって新しく関わらねばならなくなったことだったのです。「更に、様々な少数派が公的な議論に加わったり、文学を始めたりするということは、もっと新しいことだったのです。」
「常に、取りつくもの」では、ミカス氏が経験する現在の人種差別だけでなく、彼の母親が経験した以前の差別についても触れています。ミカス氏の母親は、第二次世界大戦後にドイツに駐在したアフリカ系アメリカ人の娘としてドイツで生まれました。父親はすぐに韓国に転勤となりました。
「その後彼がどうなったのかは分からないんです。私の母と兄は家族の系譜を調べようとしましたが、ドイツでは米軍兵士に関する資料が何も残っておらず、アメリカでは資料開かれてしまっていたんです。」
ミカス氏の母親は、ドイツで白人の家庭で育ちました。ミカス氏は、「私の母は、自分の母と良い関係を築けず、自分の家族が何とか我慢して育てていたのだと聞いています。来客がある時には、母と叔父は部屋に閉じ込められたそうです。」
ある時ミカス氏の母親は孤児院に入り、そこで、デンマークの里親の養子になりました。「デンマークで1950年代、1960年代に多く取り決められた最初の養子縁組ブームの一人だったのです。だからその頃養子縁組に関する法制度は整っていませんでした。養子縁組した多くの家族の状況は、ひどいものでした。」とミカス氏は述べます。
ミカス氏の母親が亡くなって長い年月が過ぎた今、デンマークでずっと暮らしてきていても、多数派の外見をしていない場合に起こり得ることに対して広く理解してもらいたいという願いから、ミカス氏は自分と家族の歴史について語ることにしたのです。
ミカス氏は、「少数派の経験をもっと普通に知ってもらうことの一部になることによって、公式な場の議論においても、デンマークの文学においても、世界の「私達」の定義をより大きなものにしていきたいと願っています。」
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北欧デンマーク通信
北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。
国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの?を、
2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター&主婦で3人の母親の、
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