デンマークの小中学校には差別があるのか

デンマークの小中学校には差別があるのか

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは！デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマークの小中学校には差別があるのか

2021年１月「American Journal of Political Science」にて発表された、コペンハーゲン大学の調査によると、学校の転校を希望する生徒のうち、典型的なデンマーク人の名前の保護者の２５％が希望する学校から編入の許可を得るのに対し、イスラム教の名前を持つ保護者の１５％のみが編入の許可を得ているという結果が分かりました。

この調査は、公立および私立の小中学校1698校を対象として行われ、架空の保護者モハメドオスマンとピーターニールセンが名前以外全く同じ内容の手紙を対象校に送り、が学校からの返答を検証したものです。

調査によると、架空のイスラム教の名前を持つ保護者には、「どこに住んでいるのか。」、「子供の名前は何か。」あるいは、「なぜ転校したいのか。」といった転校要請に消極的な質問が返ってきました。

コペンハーゲン大学のアスムスレスオルセン教授は、１～２％の違いがあったとしても問題のところ、１０％もの違いがあることは、差別と言わざるを得ないと述べています。

また、この問題は、学校でうまくいっていない生徒が転校して新しいスタートを切ることを妨げ、ひいては、既に問題となっている、少数派の背景を持つ生徒による不登校を誘因する可能性があると言います。

不登校になってしまうと、高等教育を受ける機会が阻まれてしまいます。

デンマークでは既に、イスラム教の名前を持つ生徒は、専門学校のカリキュラムの一部となっている、職場の実地研修の場を得るのに苦労している現状があり、高等教育を受けて専門的な技能を身に着ける機会が狭まれているということになります。

イスラム教の名前を持つ児童が転校を希望してもかなえられない場合には、問題児としての役割から抜けることができなくなり、さらには犯罪の道へ進んでしまう可能性があったり、能力の高い生徒が適切な刺激を受けられないで成長の機会を妨げられたりする危険がある、社会の多様な人的資源の融合に対する大いなる問題であると専門家は危惧しています。さらに、左派政党エンヘズリステンは、求職時に起こっている名前による差別と同じ傾向を想起させ、受け入れがたい事実であるとしています。

デンマークの学校長協会は、生徒の名前によって差別が生じているという調査結果は信じられない、学校長は生徒を同等に扱っているという認識だという回答をし、更には、転校を断っているのは私立学校ではないかといぶかっています。

デンマークの人口の２０％は移民またはその子孫が構成しており、少数派であるイスラム教徒の方のデンマーク社会への融合は常に政治の大きな焦点となっています。小中学校は児童にとって大切な学習と社会の場であり、デンマーク社会の一部であり、デンマーク社会を支える将来の要員を育てる大切な場です。従って、制度の後ろで見えない差別までも撤廃する必要があり、デンマークもその途上にあることが、調査結果から浮き彫りになったといえます。

日本も多様な文化背景を持つ人々が今後一層多く担う社会となりますので、制度上だけでなく人々の意識にも差別がなくなるよう、政府の対応が求められると思われます。

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北欧デンマーク通信　

北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。

国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの？を、

2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター＆主婦で３人の母親の、

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