デンマークの若者の50%が他人のシュガーデートを容認

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは！デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

北欧デンマークで私が見聞きすること、感じることをお話しています。

最新情報をメールでお届けしています。

また、現地在住ガイドが、本当は教えたくない(？！)とっておきのデンマーク・コペンハーゲンの穴場スポット「コペンハーゲン裏スポット30」も無料ご送付しております！

よろしければ是非、こちらからご登録下さい。

www.hokuoryoko.com

***************

デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

デンマークの若者の50%が他人のシュガーデートを容認

デンマーク社会福祉研究所VIVEが全国的に行った調査報告書が2021年3月16日に発表され、対象となった18-30歳の若者1732名の半数が、本人が楽しいと思う場合には、他人のシュガーデートは問題ないと考えていることが分かりました。

シュガーデートとは、未成年の少女が自分よりもずっと年齢の高い成人と、物質的な見返りと交換に、性行為または親密な行為を提供することです。日本では援助交際や最近ではパパ活と呼ばれているらしいものがこれに当たるのではないかと思われます。

しかし同時に調査結果からは、自分がシュガーデートをするか検討したことがあるかに関しては、7%のみが検討したことがあると答えており、他人には容認しても自分でやろうと考えている若者は多くはないことが分かりました。

北ユトランド半島に住む22歳のローラ・ケア氏と21歳のキアステン・フィッシャー氏は、シュガーデートをやったことはないけれど検討したことがありました。

ローラ氏は19歳の時、キアステン氏は16歳の時、シュガーダディーにあってみるのも面白いかもと思い、シュガーデートサイトにプロフィールを登録しました。年上の気前の良い男性が若い女性とデートするという現象について聞き知っていて、好奇心がわいたのでした。

しかしその好奇心はすぐに、ショックに変わりました。直接的に性行為を要求するメッセージが来始めたのです。

キアステン氏は、単にチャットメッセージを交換するだけで、お金を送ってくれると言ってくる人もいたと言います。キアステン氏は今もシュガーデートサイトのプロフィールを削除していませんが、反応したいと思うことはないだろうと述べます。「どんな人と会うことになるか分からないし、メールをしてくる人の多くは、私が返信しないとすぐにアグレッシブになりました。」

ローラ氏は、登録してすぐに、自分よりずっと年齢の高い男性から性行為と引き換えにお金を払うという多くのメッセージを受けるようになり、プロフィールを削除することに決めました。「私の解釈では、シュガーデートはある種のデートで、セックスではありませんでした。プレゼント送るのが上手な誰かと会って話すことだと思っていました。」

一人だけ実は、会って話したいというだけのように聞こえるメッセージを贈ってきた人がいましたが、その時にはローラ氏は既に、シュガーデートは自分には向いていないと決めていました。

しかしローラ氏もキアステン氏も、やりたいと思う人がいるならば、構わないと思っています。キアステン氏は、「何をしたくて、何をしたくないかが分かっていて、その境界線を引けるなら。」と言います。

もしその対価が例えばコペンハーゲンのアパートにただで住まわせてくれるといったような大きな物だったら、もう少し年齢が高くなるまで待って、その時に考えるだろうとローラ氏は言います。「そうすれば自分が何をしたいと思っているか、自分でもっとわかっているでしょうから。」

キアステン氏も、「そうすれば、嫌だと拒否することもできるだろうしね。」と補足します。

キアステン氏は、嫌だということができると言います。そして実際、シュガーデートサイトを間違った使い方をして、手っ取り早くお金で性行為を得ようとする全ての男性に嫌だと言ってきました。「お金をもらってセックスをしたら、それは売春でしょう。」

1万名のアクティブユーザーを有するシュガーデートサイトSugaeDaters.dkは、物質的な対価の代わりに性行為を要求するというのは、間違った使い方だと述べます。SugarDaters.dkの広報デジタルマーケティングマネージャー、アレクサンドラ・ザネット氏は、「そのようなことをするのは、コンセプトを誤解したユーザーです。SugarDatersは全ての他のデートサイトと変わりありません。お金の為のセックスを推奨していません。」

しかし、デンマーク社会福祉研究所VIVEの調査では、54％の若者が、シュガーデートは一種の売春であると答えています。更に、四分の一の若者が、シュガーデートをする人への尊敬の気持ちを失うと答え、三分の一が、シュガーデートを行う人は問題に巻き込まれると答えています。

以前行われた調査では、実際にシュガーデートをしたことがある若者の数は、若者の1-2%でした。デンマーク社会福祉研究所のカレン・マルグレーテ・デール氏は、今回の庁さでは、18-30歳の若者の5%が、お金を対価として、セックス、キス、または親密な写真を送ることをしたことがあると答えています。「多くの若者にとっては偶然のことでした。必ずしも物質的なものを得るために身体を遣おうと思ったわけではなく、一時的なものでした。」

しかしその代わり、当初シュガーデートに関して計画していたよりも、彼らは親密なやり取りに入り込まねばならないという義務感やプレッシャーを感じてしまったと、実際に上記を行ってしまった若者が述べているとカレン氏は述べます。

シュガーデートに関して45人の若者にインタビューし質的調査報告書を纏めている、ロスキレ大学の性学研究者クリスチャン・グロエ准教授は、シュガーデートを行う若者には、様々な理由と動機があることが興味深いと述べます。

多くの若者はお金の為にシュガーデートを行いますが、同時に、寂しさや、境界線を越えてみたいという欲求や、自分の性を探求してみたいという欲求や、確認を求めたいという欲求がその背後にあることが多かったのです。

クリスチャン准教授は、若者がシュガーデートによって自分自身の境界線を越えてしまう危険をはらんでいるだけに、「この背後の動機を理解することが、若者を最良の方法で救う上で重要になります。」と述べます。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

北欧デンマーク通信　

北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。

国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの？を、

2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター＆主婦で３人の母親の、

ウィンザー庸子がお伝えします。

ウィンザー庸子のプロフィールはこちらになります。