デンマーク人の真髄-コロナ対策に出てきた批判

（写真は、肘でボタンを押すように示すステッカーが貼られた鉄道のドアと、入店人数制限がかけられたお店です。）

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは！デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、小学校6年生と、3年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った２歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマーク人の真髄-コロナ対策に出てきた批判

デンマーク人は空気を読まないし、自分に正直で、意見が食い違った時に討論をいとわないことを、清々しいなと常日頃から思っている私は、何の意味があるのか私にはよく理解できない、年間６７億円の税金が付与されている王室の存続にデンマーク人のどうやら７５%が賛成していたり、今回のコロナ対策に関しても、観光業やイベント業、飲食業や宿泊業が大きなダメージを受けるのにも関わらず、概ね非常に協力的だったことが腑に落ちないでいました。

もちろん、デンマーク王室は欧州で最も古い王室で、デンマーク国に与えるブランドの価値があり、観光や広報に寄与してきたという事実があります。

また、コロナでは、首相がロックダウン決定後早々に経済対策を施しました。企業の存続と解雇の予防の為に、従業員の給与を企業が２５%、政府が７５%支払い、従業員は有給休暇を５日分返上するという痛み分け施策や、３０%以上収入が減少した企業や個人事業主には、上限を設けながらも所得の９０%を補償するという施策や、また企業の固定費の給付や、文化機関の維持の為の給付や旅行補償の補填などの経済対策を取ったことも、国民の合意を得られる大きな一因となりました。

更に首相は、子供向けのニュース番組や若者に人気のユーチューバーのチャンネルにも出演して、分かりやすい言葉で協力を呼びかけ、再度出演してその協力に感謝したことも、国民がその対策に満足する要因になりました。

しかし、デンマーク人の真髄は、その合理性と批判精神にあるはず。こんなにお行儀よく従うだけでいいのか？と思っていたところ、コロナ対策が収束する前の今から、既に政策への批判が現れてきています。

７月に、厚生庁長が厚生省事務次官より政的助言を与える際には、専門家として適切な意見でなく、極端に予防的な観点に基づく助言をするようにという指示をしていたことがリークされました。また、大衆紙も、３月１１日にメッテ・フレデリクセン首相が記者会見を行ってデンマークがロックダウンに踏み切る発表をする７時間前に、コロナ対策として医学的な観点からロックダウンを推奨できないという説明をしていたという記事を表しました。更に、３月２０日に首相が記者会見で使った感染率２．６という数字の後に新たな計算から２．１という数字が得られたにもかかわらず、新しい数字を使うことが差し控えられたことが分かりました。６月に野党もロックダウンの決定に至る根拠を求めていたことも明らかになりました。首相は当時、当局の勧めによりと説明していましたが、その当局とは誰だったのか、どんな価格的分析に基づいて経済活動に多大な影響を及ぼすロックダウンの決定を下したのかというプロセスが問われています。

首相はこれに対して、今回のコロナは全く新しいマニュアルのない事態で、誰も正解が分からない中で対応しているので、常に最良の選択を政府がしてきており、最終的に国民に影響を及ぼす判断を下すのは政府であると言い、どういった当局の推奨に従ってロックダウンの判断を下したのかには言及しませんでした。

首相も言うように、今回のコロナは初めてのことで誰にも正解が分からない事柄ですので、医療機関が対応しきれなくなる前に、緊急の予防措置として様々な専門家集団に相談せずにロックダウンを決定したということがあったとしても、個人的には無理もなかったとも思います。今回のリークと批判で、デンマーク人はコロナというまだ正体とその影響が不明な事態に際しても、やはり単にのんびりほっこりして付き従うだけの羊では決してないのだなということを再確認しました。批判が出て正常と思います。国が一丸となって対処し、本当にこれでいいのかという批判も出ないなんてちょっと異常だと思っていました。

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北欧デンマーク通信　

北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。

国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの？を、

2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター＆主婦で３人の母親の、

ウィンザー庸子がお伝えします。

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