デンマークで伝えられる牛肉の気候変動への影響

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは！デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマークで伝えられる牛肉の気候変動への影響

デンマークでは、アメリカと異なりベジタリアンやヴィーガンの人は少ない反面、肉食の気候変動への影響がよくメディアで語られ、ディスカウントスーパーを含むどのスーパーでも、エンドウ豆ベースのひき肉等の、植物性代替ミートが置かれています。

2021年2月1日、デンマークの環境シンクタンクであるコンシトは、500種類の食品が環境に及ぼす影響を表すデータベースを公表しました。その中で、牛肉のヒレ肉が環境に及ぼす影響が、牛ヒレ肉1kg辺りの炭素排出量が152kgであるというデータが注目されています。この数字は、従来考えられていた量の11倍となり、デンマークからパリへ車で行った時に与える環境への影響と同等です。

一方で、肉と同じくうまみを有するキノコ類は、環境への影響が非常に低い食品だということが分かります。

この気候データベースはデンマークでは最大の、詳細な情報を加味した最も正確なもので、初めて様々な食品の環境への影響が比較できるようになりました。コンシトの食品データプログラム長ミケール・ミンター氏は、このデータベースを活用して、デンマーク人がより環境に適した食品を選択することを願っています。現在デンマーク人は、一週間に平均1kgの肉を食べています。デンマーク食料省が最近行った発表では、気候変動に対応すべく、1週間に肉の消費を350gに抑えるべきであるとしています。

牛肉の環境への影響の数値が高いのは、食品への需要が高まることによって、森などの自然地域が農地に変えられる時に排出される温室効果ガスも、このデータベースの対象に含まれている為です。

そして、今後数十年間世界の人口が増えることが見込まれることから、国連は2050年までに食品の生産を倍増させる必要があると予見しており、食品への需要は高まります。

世界的に農地を拡大することになると、森林は破壊されることとなります。従って、需要が高まる食品生産と、気候変動防止に重要な意味を持つ森林保護の間に、軋轢が生まれます。

そこで、植物よりもその生産により多くの土地面積と資源を必要とする肉に注目が集まることとなります。単純に考えても、畑で豆を生産すれば、収穫してそのまま人間のタンパク源となりますが、動物からたんぱく質を摂取するとなると、飼料をまず生産し、その後炭素を排出しながら輸送し、牛舎で電気やガスを使って暖房を焚き、牛はゲップをして温室効果ガスを排出します。

デンマークには現在、150万頭の馬や牛、1300万頭の豚が飼育されています。デンマークの国土の半分が、飼料用農地として使われています。上述のミケール・ミンター氏は、世界的な視点でこの問題を捉えるだけでなく、デンマーク国内の課題として、国土をどう使っていくかを考えることが重要だと述べます。

特に、炭素貯留した低地土壌である湿性草地は、土地自体が温室効果ガスを排出する為、農地として使用してはならないという政治的合意があります。デンマークの森を保全しながら、食品の生産量を維持する為には、デンマークの国土の利用方法を再検討する必要があるとミケール氏は述べます。

コンシトは、デンマークの社員食堂、レストラン、スーパーマーケットが気候データベースを活用して、顧客が環境に配慮した食品を選択できるよう導くことを願っています。デンマークの主要なスーパーマーケットチェーン数社を有するセリング・グループは、機構データベース開発に資金提供をしました。セリング・グループでは、店舗内に看板を配置して、環境に配慮した食品がどこにあるのか、肉の代わりに使えるものに何があるかを伝え、ホームページでは、データベースを基に、環境に配慮したレシピを掲載します。

セリング・グループのアネッテ・ジューラー・ケアー氏は、どうしたら環境に配慮した買い物ができるのかという情報を提供することに、顧客からの要請があると言います。しかし同時に、セリング・グループでは、肉の値段を上げたり、肉をより少なく販売する施策を取る予定はありません。顧客が買いたいものを売る姿勢は変えず、代替品を求める顧客にはその手伝いをするが、例えば牛ひき肉の販売を止めるとか、肉の特売を止めるといった意図はありません。

人間の生活、自然と環境、および食品に関するバイオテクノロジーと遺伝子技術に関する提案と問題提起を行っているデンマーク倫理協議会と、政府に環境に配慮した国家運営を低減する気候協議会は、2016年炭素排出税を牛肉に課して、牛肉の値段を上げることを提言しました。気候協議会会長のピーター・ムルゴー氏は、環境に負荷の高い行動が高額になれば、それを選択する人が減り、牛肉の値段が高くなれば、人々が夕食の買い物をする際に、より環境に配慮した食品を選択しやすくなると述べます。

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北欧デンマーク通信　

北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。

国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの？を、

2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター＆主婦で３人の母親の、

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