デンマークに関する雑記

デンマークの卵子ドナーと体外受精

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北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは!デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、小学校6年生と、3年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った2歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマークの卵子ドナーと体外受精

デンマークでは、民間のクリニックまたは公的な病院にて、ドナーさんの精子、卵子、あるいは両方を体外受精して、妊娠し、実子として育てることができます。

以前子供の保育園で、うちの子のように欧米と東アジアの両方の面影のあるお子さんのお迎えに来ていたお母さんが、欧米系の顔立ちのデンマーク人だったことがありました。おデンマークには、韓国から小さい頃に養子でデンマークにいらして、名前も考え方も全くデンマーク人と同じの韓国系デンマーク人が多くいらっしゃいます。そこで、私はてっきりこの子のお父さんもそうなのだろうなと思い、「お父さんは東アジアのご出身ですか?」と伺ったら、「そうなのよ、韓国のドナーさんに助けを借りてこの子は産まれたの!東アジアとデンマークのかけ合わせの私達の子たちはとても可愛いわよね!」と、ニコニコと愛おしそうに答えてくれました。私は想定外のお答えに少しびっくりしましたが、デンマークでは女性の選択肢が豊富で、よく知らない私にもオープンに話せる位その選択が尊重されているのはいいなと思いました。

こうしてお母さんの選択でドナーさんの助けを借りて産まれたお子さんに、保育園では何度も出会いました。

日本ではどうなのかなと調べました所、卵子や精子が存在しないなどの場合に、国内外の第三者から卵子や精子の提供を受け、実子として育てることができることが分かりました。法律上の母親の定義は、子供を産んだ人ということで、卵子は自分のものでなくても、産んだ人がお母さんとなることができるそうです。また、精子提供に関しては、そもそも父親であることを証明する必要はないので、自分の精子でなくてもお父さんの決意があれば、実子とできるそうです。

逆に、母親の定義が上記であるために、代理出産は日本では認められておらず違法なので、遺伝子的に卵子と精子が両親のものであっても、第三者が出産する場合には、その子供とは特別養子縁組をする必要があるそうです。なお、法律を制定した際に想定していない事項の為、海外で代理出産を行って子供とともに帰国した場合、罰則を受けるわけではないそうです。

アメリカやアジアといった海外での体外受精や代理出産をコ-ディネートする会社も日本にあるようです。

デンマークには、クリオスという精子バンクの会社があり、数年前にデンマークの商工団体を引き連れてフレデリック皇太子が日本を公式訪問した際に、クリオスの社長さんも同行して、日本に自社が提供する優れた精子を日本にアピールしたことが、日本でも多くの記事で紹介されていました。

デンマークでは、子供には出自を知る権利があり18歳になったら、体外受精を行った病院を通じて、生物学上の父親、母親に関する情報を得ることができます。

どこまでの情報を得られるかは、提供者の選択により、匿名ドナーとなった場合には、

その子供は、ドナーの身長と体重、髪の毛と目の色、年齢、肌の色と人種、血液型、を知ることができ、オープンドナーとなった場合には、その子供は、卵子または精子提供者を特定でき、会える可能性があります。

日本では、多くの場合生物学上の父親、母親が別にいることは知らされないようですが、2003年に厚生労働省の生殖補助医療部会で、15歳以上の子供には、自らの出自を知る権利」を認め、希望があれば遺伝上の父親の氏名や住所を知らせるべきである、と報告書には纏められていますが、法整備はなされていないままなので、実際に知る権利を求める子に開示しなくても、罰則などは生じないそうです。

ふと見たデンマークの国営放送である、デンマークスラジオのサイトに、卵子ドナーさんになった方の記事が載っていました。如何にもデンマーク人らしい発想なので、ご紹介します。

記事で取り上げられていた、23歳のシモーネは、「子供達には、本人が希望するなら、私に会う権利があるわ。」と言い、「子供を持つという大きな夢を実現する為の誰かの助けに慣れることを誇りに思います。」と述べています。

シモーネは不妊治療クリニックからの電話を受け、自分の卵子が赤ちゃんとなったことを知ると、自分では使わない卵子を使って妊娠できた人がいたことにとても嬉しくなると言います。

シモーネは、18歳以上になった子供が遺伝学的な母親を探せるというオープンドナーを選んだので、その子供が希望すれば、必ず1回会うと言いますが、同時に、その子供の母親はあくまでも卵子を提供されてその子を産んだ母親で、自分の子とは思わないし、自分の子供を将来持った時にも、その子を自分の子供の兄弟とは思わないと述べています。

シモーネには姉がおり、彼女はシモーネとは異なり、匿名ドナーになることを選択しました。シモーネは、姉のように匿名ドナーになる人のことも尊重すると述べています。子供を願っても得られない人が卵子を必要としている中で、匿名でも、子供を望む人の為にドナーになることを決めた人は勇気があると考えるからです。

シモーネは現在理学療法士になる為の高等教育を受けており、また体操を教える仕事もしてており、身体に対する関心を常に高く持っていました。卵子ドナーになるまでには、周りに同様の経験をした人がいなかったので、何か複雑な問題が伴うのではないかと心配にもなりましたが、卵子提供に関して自分で調べ、2019年に卵子ドナーとなる決心をしました。

シモーネが卵子提供をした近所のクリニックでは、年間150ケースの卵子提供、または乱視及び精子の両方提供の体外受精を行っています。シモーネの家族及び恋人は、提供する卵子は生理でいずれにしても出ていくものであることを知ると、心配しながらも、シモーネの選択を誇りに思い、支援してくれました。

こうしてシモーネは、血液検査、尿検査を受け、自分でホルモン注射を2週間毎日お腹に打って、通常よりも多くの卵子が成長するよう整え、スキャンニングをし、1日中かかって卵子を抽出しました。合併症が起きるようなことはないが、男性が精子を提供するよりも、ずっと時間がかかり、大変だとシモーネは言います。卵子抽出に際しては、モルヒネが投与され、楽しい時間ではないので、シモーネのお母さんが着いてきてくれました。

こうした卵子提供によって受け取る謝礼金は税引き前で7000krで、所得が他に控除額となる100万円以上ある場合には約半額を納税しなくてはならないので、手元に残るのは約7万円程度となります。この金額は卵子提供にかかる時間や、禁酒や禁煙や避妊ピルの中止が要請されることを鑑みると、決して高い金額ではないので、謝礼額目的で卵子を提供する人はいません。

一人の卵子ドナーは、35歳までに、最高6回まで卵子を提供できます。また、一人のドナーの卵子は、基本的に一人の女性に提供されます。シモーネは2回卵子提供を行って、一回目は7個の卵子、2回目はそれよりも少し多くの卵子が抽出できました。妊娠に成功した後に残った卵子は、同じ女性が再度妊娠を希望する際に使えます。

デンマークでは、2015年に84名の女性が、2018年には371名の女性が卵子提供を受けて妊娠しています。

シモーネさんのお話は、自分は知らない誰かの幸福の為に一肌脱げる、感情を伴わずに理性や合理性を考えて行動まで移せる、そしてシモーネさんの決定を親族や恋人も感情を挟まずに尊重できた、という点で、とてもデンマークらしいと思います。

実は、私もデンマークのクリニックで精子提供を受けて体外受精するお手伝いのお問合せを受けたことが数回あります。結局いずれも残念ながら私へのご依頼には至らなかったのですが、私は、子供を望みながらも何らかの事情で助けがなければかなわない状況にある方が、デンマークではその助けが得られるとしたら、それは素晴らしいことだと思っており、喜んでコーディネーションのお手伝いをさせていただきたいと思っています。

私は家族の在り方に関してごく昭和的な価値観で育ちましたが、デンマークに来てから家族の形は多様であることを知りました。デンマークでは再婚や同性婚や養子縁組が多くあり、様々な形の家族が、血がつながっている子供やつながっていない子供を育て、例え血がつながっていなくても、子供を愛情深く育てている人をたくさん見てきました。

私には、独身でとても高い役職に就いて素晴らしい仕事をしている友人が日本にたくさんおり、LGBTの友人もいます。以前、海外でも教育を受けて、経済的に自立している独身の友達に、旦那さんがいなくても実際子供は育てられるけれど、考えたりはしない?と聞いた時、日本ではちょっとまだ難しいのよね、という回答をもらったことがあります。

日本でも、こうした方々が希望すれば結婚せずとも自由に子供を持てる社会になったらと願います。一部の人には感覚的に受け入れられないことかもしれませんが、デンマークでは実現しており、それに関してもはや個人が責任もって選んだこととして尊重し、当事者以外の誰の話題にもならないのを見ると、日本でもいつか近いうちにきっと法的にも社会的にも容認されるのではないかと思います。

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北欧デンマーク通信 

北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。

国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの?を、

2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター&主婦で3人の母親の、

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