デンマーク社会

デンマークの組織構造と職業教育、デンマーク人の働き方について その2

こんにちは!デンマーク公認ガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、小学校4年生と、1年生と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った子と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマークの組織構造と職業教育、デンマーク人の働き方について その2

デンマーク人の会議は、大変素早く終わります。設定する時間も、社内会議でしたら通常1時間ではなく30分です。出席しているからには貢献しないとその人の人件費の無駄と鑑みられるようで、新米でもベテランでも専門家として意見が求められるので、皆とても率直に意見を言い、気遣いのために使う時間のようなものが殆どありません。上司が発する意見の方向性に追随せねばということがないので、反対意見も自分が正しいと信じる場合には遠慮なく言います。一番いけないのは出席しているのに単に黙っていることのようです。

もし会議中に、すぐには解決できない問題が見つかった場合には、日本でしたら皆がうーんと考え込んで黙ってしまう時間というのができるかと思いますが、そういった時間が一切デンマークの会議にはないのに驚いたことがあります。このような際には、誰かが(会議で一番役職の高い人とは限らない所がミソだと思います。)この問題は今考えてもなかなか結論が出ないと思われるので、一旦保留にして各自考えて次回の会議の議題にしましょう、と言って、次の議題に移るのです。そして、会議が終了する直前の纏めの際に、次回の会議までに各自が意見を考えてくることとして確認して、宿題にしてしまうのです。これは今話し合っても無駄と判断して、さっと次回に回すという対応をとる速さは見事です。

このように、デンマーク人は会議もサクサクと意見を出し合って短時間で終わらせ、組織もフラットなので、各自が自分の担当分野の専門家として上司に提言して、良い提案であればすぐに合意を得て実行に移し、残業はほとんどせずに帰宅していきます。

デンマーク人は殆どが共働きで、男女共に家事や育児に忙しいことからか、福祉社会を支えるためか日本よりも物価が高く、居酒屋さんに頻繁にはいけないためか、日常的に同僚で飲みに行くという習慣はありません。年に2回、夏のパーティーと、クリスマスランチ(という名前ですが実際には午後早めの時間から夜にかけてはじまり、伝統料理のオープンサンドイッチを食べるパーティーです)という12月のクリスマス前の金曜日に行われるパーティーでは、上司も部下も無礼講で、遅くまで飲み、食べ、踊り、語ります。ちなみに、この夏のパーティーと、クリスマスパーティーは、子供たちの学校や幼稚園等でも、保護者も参加して大人と子供が一緒になって行われます。

それでは残業せずにさっさと帰宅したデンマーク人は何をしているかと言うと、学生時代の友達とカフェで会ったり、子供の習い事やお友達のうちで遊ぶ際の送り迎えをしていたり、趣味の学校に通っていたり、自分が所属するクラブでスポーツをしていたり、またはボランティアで子供たちの習い事の先生をしていたりしています。

私の印象では、日本のビジネスマンが一人フルタイムx140-160%の時間配分で日夜働いていて、夜20時過ぎにご帰宅されるので、育児に参加したいお気持ちはあっても実際時間的に難しいということで、奥様がお家で家事と育児を担当するために専業主婦またはパートタイムで0-50%外で働いているのに比して、

デンマーク人は一人ずつが日本のフルタイムx80%くらいの時間配分と担当する業務量で働いている代わりに、誰もが所得を得て社会を支える納税者となっていて、夫婦2人合わせて160%で、家計全体では日本の夫婦と釣り合う位働いているのではないかという気がしています。

ちなみに、2017年のデンマークの一人あたりGDPは563万ドルで、日本の一人あたりGDPは384万ドルだそうです。

このように、デンマークの組織や仕事のやり方はかなり合理的だと思いますが、

でも、デンマーク人には、日本人の仕事の細やかさは真似できない所があります。

それが求められていない(または求めること自体が可能だと知ったことがない)市場でもあるとも言えます。

例えば、私はデンマークで本場と言われるデニッシュ・ペストリーをかなり様々食べたことがあると思っていたのですが、日本に帰った時に、たまたま叔母が出してくれた、アンデルセン・ベーカリーさんのペストリーが、買ってから少し時間が経っていて、温めたわけでもなかったにもかかわらず、サクサクで美味しいのにびっくりしました。

日本人の仕事に対する姿勢と、その成果として得られる精度がやはりデンマーク人には真似ができないのだろうと思いました。

それで思い出したことがありました。

以前アンデルセン・ベーカリーさんからデンマーク文化のご研修にいらしていた方々をコペンハーゲンのトーベヘーレン市場にご案内していた時に、パン屋さんのお店先で、アンデルセン・ベーカリーの皆さまが、びっくりなさっていらしたのでした。

私が何にびっくりされたのかお尋ねしましたら、パンの大きさと形があまりにまちまちだったことにびっくりされていらしたということで、

今までそんな事を考えたこともなかったので、プロの視点と日本の方のお仕事の正確さに改めて驚いたのでした。

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