デンマーク・コペンハーゲン・ローゼンボー城観光―デンマーク王家の悲恋物語、王妃カロリーネ・マチルデと宰相ストルーエンセ

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは！デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマーク・コペンハーゲン・ローゼンボー城観光―デンマーク王家の悲恋物語、王妃カロリーネ・マチルデと宰相ストルーエンセ

デンマークの首都コペンハーゲンにある離宮、ローゼンボー城には、1749年生まれで1766年から1808年まで国王を務めたクリスチャン7世の肖像画があります。

そしてその隣には、1751年生まれで1766年に従兄弟であるクリスチャン7世に嫁いで女王となった、イギリスのお姫様カロリーネ・マチルデの肖像画と、クリスチャン7世の専属医師で政務も代行した、ヨハン・フレドリッヒ・ストルーエンセの肖像画もあります。

この2人の政略結婚には、イギリスは、最近フランスとの同盟を解消したデンマークが、再びフランス側につかないよう、イギリスとデンマークの関係を強化するという目的がありました。

カロリーネ・マチルデが生まれる前にウェールズ候であった彼女の父は亡くなっており、未亡人となった母は隠居して王宮から離れて子供達を育てました。そのため、カロリーネ・マチルデは王宮で育てられた子供よりも純粋な心を持っていました。

しかし同時に、彼女が王家の者としてのふるまいを求められる経験が少なかったという事実は、今後自らの身に待ち受けている運命を予想することが難しかったという結果を生みました。

実はクリスチャン7世は生まれつき精神疾患を患っており、政務が取れる状況ではありませんでした。結婚式はロンドンで行われたのですが、花婿は不在で行われ、花婿の母であり彼女の伯母であるイギリス王家出身のルイーズ女王は人気があったので、まさか自分の夫の状態がこのようであるとは知らなかったのです。遥々イギリスのウェールズからやってきた花嫁である、15歳のカロリーネ・マチルデは絶望します。

クリスチャン7世は、カロリーネ・マチルデに興味を示さず、また王家の多くの者がフランスとの同盟を望んだので、イギリス側につくことの象徴であるカロリーネ・マチルデに背を向けました。しかしそれでも1768年カロリーネ・マチルデは、後のフレデリック6世となる王子を産み、世継ぎを産むという女王の役目を果たしました。

その後クリスチャン7世は、1768-1769年に外国へ旅行に出かけた際に同行したドイツ人のストルーエンセ医師に絶大な信頼を寄せるようになりました。

クリスチャン7世の帰還と共に、ストルーエンセはデンマークに迎えられ、クリスチャン7世の専属医師となり、しまいにストルーエンセが王の公務を代行し、1770年から国の実権を握るようになりました。

ストルーエンセは社会改革に着手しました。当時新しい考えとして出てきた啓蒙主義を信奉し、利権を思うままに操る保守的なドイツ生まれの荘園領主である貴族が築いてきた政策とは異なる政策を打ち出しました。

ストルーエンセはドイツ人でデンマークの習慣や関係性への知識が十分でなかったこともあり、根回しが十分に行われなかった為、公的な支出を削減する政策は、その恩恵を受けていた貴族の反発を生みました。

同時にカロリーネ・マチルデはストルーエンセと恋に落ち、2人は不倫の関係となりました。1771年にカロリーネ・マチルデは女児ルイ―ゼ・アウグスタを産み、ストルーエンセの子であるとうわさされましたが、公式には、クリスチャン7世の子として認知されました。

クリスチャン7世の母であり、イギリス王家出身でカロリーネ・マチルデの伯母でもあるルイーズが亡くなった後、前王フレデリック5世は後妻を取り、彼女の名はユリアーネ・マリエと言いました。ドイツのブラウンシュウェイグ・ウォルヘンブッテル地方を収める貴族の娘でした。

前女王ユリアーネ・マリエは、ストルーエンセとカロリーネ・マチルデに激怒し、ストルーエンセの政策に反発していた貴族達と共に、1772年にストルーエンセとカロリーネ・マチルデを反逆罪で逮捕し、クロンボー城に幽閉しました。

ストルーエンセは八つ裂きの刑に処され、カロリーネ・マチルデは離縁され、ストルーエンセの故郷でもある、北ドイツのハノーヴァーのセレに亡命しました。

政略結婚を全うするという王家の姫の務めを果たせなかったカロリーネ・マチルデは、実家のイギリス王家に戻ることが許されなかったのです。

カロリーネ・マチルデはその後子供と会うこともなく、孤独な一生を送ったとされています。実は1772年に政権を取った貴族に反発する勢力により、カロリーネ・マチルデをまだ幼児である国王の後見人として担ぎ上げるというクーデターの計画もあったのですが、1775年に立った24歳でカロリーネ・マチルデは、猩紅熱の為に短い生涯を終え、この計画は頓挫してしまいました。

ローゼンボー城にあるクリスチャン7世の肖像画は1789年、ストルーエンセの肖像画は1824年、カロリーネ・マチルデの肖像画は1771年、王家の画家イェンス・ユールが制作しました。

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2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター＆主婦で３人の母親の、

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