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デンマークで、コロナ禍のロックダウンで増えた若者の自傷行為

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北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは!デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマークで、コロナ禍のロックダウンで増えた若者の自傷行為

コペンハーゲン郊外のドラウアに家族と一緒に住んでいる、16歳のセシリエは、幸福で社交的な、家族や友達と一緒にいるのが大好きな女の子でした。放課後には、ダンスをしたり、友達と一緒にビーチに行ったり、街に出て買い物をするのが好きでした。

しかし、全てはコロナがデンマークを襲ってから変わってしまいました。

「デンマーク全体が突然ロックダウンしてしまい、私はとても大きなショックを受けました。私の母には免疫疾患があるので、コロナに罹るわけにはいきません。その為、私は家にこもらねばならず、友達と会うことがなくなり、全てのことから遠ざかるようになってしまいました。」

2020年の春に段階的にロックダウンが解除されて、セシリエは、自分の気分もよくなるものと願いました。しかし、秋になり、新たなロックダウンが開始されると、セシリエは非常に大きな影響を受けてしまいました。

「最初のロックダウンで、私は自分自身に対してとても悪い感情を持ちました。でも、2回目のロックダウンが来た時には、非常に大きな不安と、耐えられないほどの鬱と、自殺願望を抱きました。私と家族にとってとても大きなショックでした。とても幸福な女の子だったのが、突然、最悪の気分で家にこもるようになってしまったのですから。」

セシリエの両親は、彼女がどんどん悪い状態になっていくのを見ました。

セシリエの父親トーベン氏は、「2回目のロックダウンが来た時に、セシリエが非常に大きな影響を受けてしまったのを感じました。しかし、気にかけるのが十分でなかったようです。突然セシリエが変わってしまったのですから。私達が見たことのない状態でした。再度同じ状態にならないことを願っています。」と述べました。

クリスマス休暇には最悪の状態となってしまい、セシリエの両親は彼女を、グローストロップにある精神科救急病院に連れて行き、助けを求めました。

セシリエは、「両親に何度も、これ以上ここにいたくない、そうする為の行動を起こしてしまいたいと言いました。それで、私達はグローストロップに行ったんです。」と述べます。

セシリエが経験したことは、実は多くの若者が経験したことでもありました。2020年冬のコロナ感染対策ロックダウン時には、多くの子供や若者が、精神科救急病院に運ばれました。

全国5県全てが、2020年冬は、精神科救急病院への照会が前年より多くあったと回答しています。救急病院の照会事項は、不安障害、自傷行為、自殺願望等でした。そして、コロナのロックダウンでという説明がついて回りました。

その為、小児科医は、コロナ感染対策のロックダウンによる影響を大きく受けた子供及び若者の対応をすべきであるという声を上げています。

オーフス大学病院のクラウス・ビアケロンド医科長は、小児科医連盟の会長も兼任しています。クラウス医科長は、子供の学校が在宅授業となってしまい、課外活動が閉鎖されてしまい、社会生活が休止してしまったロックダウンと、精神科救急病院へ運び込まれる子供が多くなってしまったことに、直接の関係があると見ています。

「私達は、学校が閉鎖されてしまったこと、若者に多くの人に会わないようにと頼んだことからもたらされた結果であると見ています。友達から隔離されたことが、非常に大きな影響を及ぼしたのです。」

ユトランド半島中部県でも、ロックダウン下の2020年11月、12月、2021年1月、2月にかけて、頭痛薬中毒の事例が前年に比べて47%も増えてしまいました。

上述のクラウス医科長は、「子供と若者において、中毒または自殺を意図したパラセタモール薬の大量摂取による、自傷行為の事例が増えています。これは、デンマークの特に若者が全般的に幸福でないことの表れだと見ています。」と述べます。

ユトランド半島北部県の青少年精神病院のリンダ・ブラムセン医院長は、青少年精神病院連盟の会長も兼任しています。リンダ医院長も、救急搬送の事例が増えていると認識しています。その中でも、新しいタイプの若者が、深刻な精神疾患を患うようになったと感じています。

「私達が懸念しているのは、以前には精神病院では見かけなかったタイプの若者が来ていることです。以前には幸福の瀬戸際または不幸の中にあっても、学校の友達や教師や保育士とのつながりで自分を保っていた青少年が、今数多く精神疾患を患っています。」

リンダ委員長は、青少年が抱えている精神疾患は深刻なものであると述べます。

「例として挙げられるのは、自殺願望、ナイフを持って暴れるなどの暴力的な行為の爆発、長期に渡る悲しみ、運動していないから太りすぎるのではないかと思い、摂食障害に陥ること、自分のそばにいようとする人がいない、誰も輪に入れてくれようとしないと思って、自分は価値がないと感じること等です。つまり、非常に基本的な悲しみや疲労の症状が広がっているのです。」

専門家は、学校や課外活動が解禁されても、問題が消滅するわけではないことを指摘しています。

首都県のヤン・ビアンバウム・クリステンセン医科長は、

「若者が学校に行けるようになっても、問題が自動的に消滅するわけではないと思います。疾患を患った後に、もう一度人生を立て直す為には、治療が必要です。より通常の日常環境に戻ることは、健康状態の回復に寄与するでしょう。しかし彼らは今、疾患を患っているのです。従って、長期的な問題になると思います。」と述べます。

上述のリンダ医院長は、学校に戻る若者に注意を向けることが必要だと勧告しています。

「私は、まだ実際にはピークを迎えていないのではないかということを懸念しています。まだ私達の所に来ていない若者が一体何人いるのかということです。従って、これから学校が徐々に再開するに当たって、学校に戻ってこようとしない若者がいないか、注視していく必要があります。多くの若者が疾患を抱えてしまうコロナ世代に発展してしまわないか心配しています。」

上述のセシリエは、大変な思いをした数か月を過ごした後に、徐々に回復に向かっています。

「初めの一か月は、自分が陥っていた状態を恥ずかしく思っていました。こんな状態になっているのは、私だけに違いないと思っていました。自分自身を異常だと思いました。治療を受けて、状態がすごくよくなりました。でも、今も何かが来ているって感じています。例えば学校の試験のことに就いて話すとき、今も不安が生じます。でも、もう自殺願望はありません。」

セシリエは今や、難しい状態になったのは自分だけではないということも知りました。

「異常じゃなかった。これは普通のことなんだって。それから、治療を受ける必要があることなんだって分かりました。治療を受けてから、以前よりもっと幸福になりました。もうすぐ、コロナ前にいつもいたあのセシリエに戻れそうって感じます。」

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北欧デンマーク通信 

北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。

国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの?を、

2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター&主婦で3人の母親の、

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