デンマークのSDGｓ―もったいない食材を専門に販売するスーパーWeFood

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは！デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

北欧デンマークで私が見聞きすること、感じることをお話しています。

最新情報をメールでお届けしています。

また、現地在住ガイドが、本当は教えたくない(？！)とっておきのデンマーク・コペンハーゲンの穴場スポット「コペンハーゲン裏スポット30」も無料ご送付しております！

よろしければ是非、こちらからご登録下さい。

www.hokuoryoko.com

***************

デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

デンマークのSDGｓ―もったいない食材を専門に販売するスーパーWeFood

デンマークには、お得で楽しく社会貢献ができるスーパーマーケットがあります。

そのスーパー、Wefood（ウィーフード）は、デンマーク初の、スーパーやお店から出た余剰製品を専門に販売する店舗です。

１．賞味期限が近くなり売れなくなった製品、

２．中身は問題ないにもかかわらず、パッケージの変更などで売れなくなった製品、

３．中身は問題ないにもかかわらずクリスマスやイースターやハロウィンなどの季節限定のイベントが終わったために売れなくなった季節商品など

を、提携するスーパーや小売店から安く買い上げ、販売しています。いわば、もったいない食品とお財布の救世主といえます。

そしてその利益は、運営NGOであるFolkekirkens Nødhjælpが実施している、世界の貧困と飢餓を無くす支援活動に使われています。毎日のお買い物で手軽に国際貢献ができちゃうというわけです。

更に、Wefoodでは、お店に並ぶ商品はその時々に出た余剰製品によって変わるので、毎回行く毎に違った商品を目にします。だから、行く度に今日はどんなお得な商品に出会えるか、ワクワク感でいっぱいです。

Wefoodは、2016年デンマーク・コペンハーゲンに第1店舗を出し、そのコンセプトとお得さ、楽しさ、手軽に社会貢献ができるコンセプトが共感を呼び、現在ではデンマーク各地で6店舗に広がっています。

2020年には、廃棄される運命にあった353トンの食材がWefoodで販売され、売上から経費を除いた全ての利益がＮＧＯフォルケキアケンスノドイェルプに寄付され、2647000クローネが世界中の飢餓対策に使用されました。

Wefoodでは、廃棄予定だった商品を飲食品メーカーやスーパーチェーンなどの流通会社から非常に低い価格で買い取り、定価より大幅に値引きして販売しています。値引き率はWefoodの裁量で決定されます。場合によっては、無料で配布している食材もあります。

商品の搬入は、Wefoodまたは商品提供店舗が行っています。

販売は、店舗のみ。インターネット販売はしていません。従って、現時点では顧客は、店舗に来店できる人となっています。

デンマークの大手スーパーチェーンを持つセリング・・グループとも協働しています。

ホームページでは、「お得感」などの顧客メリットより、この仕組みを通して削減できた廃棄食品の量、食品ロス、気候変動、リサイクルといった、社会と環境に与える影響の方を大々的に訴求。ビジュアルを多用したおしゃれなデザインと、わかりやすい構成で、自然にフードロス問題について考えることができるようになっています。

また、食材を無駄にしないヒントや旬の食材の情報をお洒落なデザインのポスターにして、無料でダウンロードできるようにしていたり、デンマークで著名なスターコックさんと協働して、食材を無駄にしないで美味しく活用できるレシピ本を無料で提供しています。

職員は少数の有給職員の他に、まだデンマークに来て間もない外国人や、元気な高齢者の方、様々な理由で社会復帰を目指す、精神疾患などの理由で就労に際してサポートが必要な方などが、ボランティアや就労トレーニングの場として働いています。

Wefoodは、食品ロスを防ぎ、家計と雇用を助け、企業イメージもアップし、発展途上国の支援事業もサポート出来る、正にウィンウィンな関係を構築するお店なのです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

北欧デンマーク通信　

北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。

国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの？を、

2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター＆主婦で３人の母親の、

ウィンザー庸子がお伝えします。

ウィンザー庸子のプロフィールはこちらになります。